1997.02.28〜03.05

1997 超団体・ハワイ旅行

 

初めてのハワイ!ハワイと言えば、やっぱりワイキキでしょう。

海外旅行を始めてから、そろそろ10年になろうと言う頃、やっとのことでハワイに上陸する機会を得た。それほど興味の無かったハワイに行くことにした理由と言えば、すずはらの最愛のアーティストである藤井ナオユキのFC主催による、ナオユキと一緒にハワイに行こうツアーが開催されたからだった。(元チェッカーズ・藤井弟くんだよ)
普通なら10万円以内ですむような安っぽいホテルの(朝食もつかない)ツアーであるのに、なんと17万円という超高額を払っての、芸能人と一緒に遊べるツアー。濡れ手に粟の、主催旅行会社はボロ儲けか?と突っ込みたくなるツアーである
案の定、部屋から見えるのはダイヤモンド・ヘッドだけ。
(まだ景色があるだけいいか)窓は壊れていて開かないし、お湯を沸かす機械も無し。香港のホテルよりは広いというのが救いかも知れない。おかげでトランクを開ける場所にはこと欠かなかった。

一歩ホテルを出れば、そこには延々と広がるワイキキ・ビーチ。
なんて広いの、なんて美しいの・・・。これだけは確かにハワイが誇れる観光資源だと思う。本当に綺麗。砂浜もゴミひとつ落ちてない。何故かというと、毎週日曜日になると、浜辺を掃除するボランティアのグループが現れて、砂を網ですくい取って吸いがらの一片まで拾うという、徹底した清掃作戦を慣行しているからなのだった。
これはちょっとスゴイ、でもここまでやらないと、これほどの大勢の観光客がやってくる観光地を、こんなに綺麗に保ってはいられないと思う。日本でも観光地全体が、観光資源であるはずの自然を保存しようと、開発と同様にこんな風に美観維持に力を注いでいたなら、きっと美しいままだったんだろうな。そしたら私だって国内の観光を楽しめただろうに。日本の観光地っていうところは、必ず何かが壊れていて荒らされていて、どこか物悲しくて、やたらうらさびしくなるから好きじゃないんだ。悲しくなる日本の観光地なんて、できれば見に行きたくない。
ボランティアの時間が終わると、朝御飯がみんなにふるまわれますが・・・。ラップで包まれた物は、ハンバーガー!そう、ここは日本じゃないの。たとえラップでぴっちり包まれていたとしても、それはおにぎりじゃーない!当たり前なんだけど気がついた時は驚いた。これってもしかして、カルチャーショックってやつかも。

ワイキキビーチ沿いの6車線一方通行の繁華街には、数え切れないほどの日本食屋がある。本当に、ハンバーガーショップより多い。レストラン案内を見ても、そこに載っているのは全て日本・日本・日本。こんなに日本食が多い町って、見たことがないよ〜。田舎の駅前商店街じゃあるましいし。味噌も醤油もお米も、全てハワイで作っているらしい・・。本当に、ここは日本の濃い町。
とはいえ、日本語の通じ度はバリ島と同じぐらい。でもわかりやすく書いてあると言うことと、日本人系の人がとても多いということに関してはハワイの方がずっと上。それにどう見ても聞いても、新宿か渋谷なんかにいっぱい居る系の、コンパニオンギャル系の女の子があっちこっちで働いているっていうのが、いかにもハワイ。特に道ばたの怪しいインコ屋の呼び込みに居た女の子が、「何か事情があるんでは」というぐらい、顔も身体もベリグー系で、こんなバイトをしているのが不思議というか恐くて胡散臭かった・・・。
路上の無料スタンドに置いてあるフリーペーパーも、八割が日本語で作られていて、不動産から今日のランチの紹介まで、ありとあらゆる情報が載っている。ああ、確かにこんな綺麗な場所に住めたらいいだろうなとは思う。だからこんなに大勢住んでいるんだろうな。

ハワイ・衣食住 
1997/2/28。ツアーが出発したのは二月末の事。インターネットで集めた情報によると、二月のハワイというものは、陽射しは強いけれど風が吹くとけっこう冷える、ということらしい。 色々考えて着る物を選んだつもりだったが、それでもまだまだ想像が足りなかった。
二月のハワイは寒い。少なくとも東京の人間には、Tシャツと短パンなんて格好ではいられない。暑いな、と思う場所はほとんど無くて、どこに行ってもクーラー効きまくり、日陰となるとぐっと涼しい南の島で凍えるような目にあった。上はたとえTシャツだけでも、下はジーンズか長いスカートでないと、かなりつらいと思う。下から冷えるのよね、やっぱり。
特に寒かった場所と言えば、プラネット・ハリウッド。晩御飯を食べに行ったのに、味もわからなくなるほど凍えてしまった。西洋人がもっと薄着をしているのが恨めしい。体感温度が10度ぐらい違うんじゃないかと思いたくなる。

ハワイのガイドさんは主に女性。みんなハワイの正装であるムームーを着ているが、いわゆる温泉ランドの「あっぱっぱ」(昭和三十年代ぐらいに、そう言われていたらしい)風のものではなく、あちこちに切り替えが入ったり、フリルが入ったりして微妙にデザインが異なる。ちょっと見にはオランダのドレスのようにも見える不思議な物もあった。とはいえ、どれもがカラフルなデザインの布を使っていて、ロングドレスであることは同じ。ムームーはやっぱり背が高い方が似合うだろう。

ハワイの人は体格が良い。と言われているけれど、確かにそれは正しい。
おかげでエスプリのバーゲンに紛れ込んだ時、あるわあるわ、日本じゃ絶対にお目にかかれないようなサイズがどっさり。お尻の大きさにかけては、小学生の頃から大人並み、の伊吹の腰を隠してくれて、まだ余りあるようなスカートが、あるわあるわ。目が眩みそうになったが、痩せても枯れてもエスプリはエスプリ。予算の範囲内で我慢する。
残念ながらバーゲンシーズンでは無いので、他では特売は見かけなかった。

体格が良いのは当たり前、かもしれない。
ハワイではとにかく量が多い食事、というのがレベルが高いということになるという。もちろんアメリカなのだから、サイズが日本よりビッグなのは当たり前かも知れないが、それにしても大きい。
ハワイには「アルティメット・ハンバーガー」という物があり、それは実に美味であるという話を、どこかで聞き込んでいた伊吹は、ホテルの近所のハンバーガーショップ「JACK IN THE BOX」でそのハンバーガーを注文した。
噂通りU・ハンバーガーは美味しかった。しかしそれ以上にボリュームがあった。その夜には胃がもたれて酷い目にあってしまうことも知らず、おいしさに目がくらんだまま、ぺろりと一個平らげてしまった。
これはハンバーガーだけではなく、全て、どの店に入ってもまったく同じことだった。もともと貧乏が身についているため、注文した品を残して帰るということが、どうしても後ろめたいため、ついつい食べ過ぎてしまう。だいたい身長150センチしかないようなこの身体に、ハワイの食事は毒以外の何物でもないのだ。
だって、美味しい。
芸能人とのディナー・ランチというイベントで出された食事は、可もなく不可もなく、という味だった。あまり印象に残っていない。ただ、サラダについていたサシミは不味かったなぁ。
ハワイのファーストフードの中には、スパムという缶詰のハムを寿司の形に固めた御飯に乗せ、海苔でぐるっと巻いて照焼のたれをつけた、スパムむすびという物がある。これも、かなり大きめの握り鮨という形をしているのだけれど、美味しいのだ。あの甘いたれとスパムのしょっぱさが微妙にマッチして、お昼にぴったり。

東京のお台場地区にあるデックス・オダイバというショッピングコンプレックスの横に、ちょっとおしゃれなレストラン街がある。その中にサムチョイズレストランというレストランがあり、たまのイベント帰りに寄ったりもするのだけれど、そのハワイ・ワイキキ店が近くにあるというので、最後にそこに食べに行くことにしていた。ちなみに本店はハワイ島にあるらしい。
味の良さと量の多さは、日本のレストランですでに体験済みだったので(オープン直後の時だけ。今は普通の量になってしまった・つまらん)どんなものか期待していたが、期待をはずさない混雑ぶりと量、そして味だった。
予約しておいても、なかなか入れないほどの混雑に、伊吹切れかかる。一日歩き回って疲れてるうえに、眠いし寒いし、お腹は空いてるし・・・。だが伊吹の癇癪が大爆発 する寸前に、なんとか席を作ってもらい(カウンターだった)座ることができた。
隣に座っているビジネスマンのカップル(♂♂)の食欲のすごさに、口を開けているうちにスープが出てくる。でもカレースープだった。嫌いなんだ、カレー味ってのは!!!でもサラダはすごく美味しかった。野菜も新鮮だが、ドレッシングがゴマ味ですっごい好み。日本でならサイゼリアのドレッシングに、ピエトロのドレッシング(どちらもイタリア系レストラン)が好きなんだけど、それよりももっと美味しい。
隣のカップルがボウルサイズのサラダを平らげ、メインディッシュのような前菜を平らげ、次々に運ばれてくる大皿を平らげている。
目の前ではデザート班がずっとデザートを盛りつけ続け、付け合わせ担当はずっとピーマンとタマネギを炒め続けているのが見えていた。大量のバターとドレッシングが、どんどん減ってゆく。すごいと言うしかない。そうこうするうちに、注文の品が運ばれてきた。日本の支店では食べられないメニューを、と注文したら、一抱えもあるような巨大な皿に、魚料理がどかーん、と。
とてもデザートまで胃がもたない。
サムチョイズでは残した料理は、ちゃんとパックしてお持ち帰りにしてもらえる。現地の人でもたいがいが残すと言うことらしい。サムチョイズのテイクウェイパックを持ってホテルに帰ったら、ロビーのホテルマンにサムチョイズに行って来たんだね、美味しかっただろ、と声をかけられた。パッケージだけでわかるほど、有名なレストランなのだった。

ワイキキのメインストリートは全部がコンクリートのビルで、ハワイ伝統のものを見るのはとても難しい。土産物の中にもあまり、そういった物は見られない。ハワイと言えばフラダンスだが、それなりのレストランに行ったり、ショッピングセンターのイベントにでも行かないと、なかなか見られない。
 ハイアットホテルのロビーでお茶をしていた時に、運良くロビーでフラダンスの時刻に当たったらしく、何組かのダンスを観賞することができた。メンバーは全員が高校生から中学生ぐらいの年齢で、女の子も人種はさまざま、ひとりだけ居た男の子はかなり地元の血が濃いようだった。
 ダンスはうまい子もへたな子もまぜこぜで、それがまた可愛いのなんの。(子供が好きなのだ)アイスティー一杯で30分以上もこんなショーを見せてもらえるなんて、ハイアットはほんとに気前がいい。
 でも実はハワイで見たダンスの中で、一番印象に残っているのは、初日の夕方、時差ボケ防止のために頑張って起きていた夕方頃のこと。バスに乗って出かけた校外のショッピングセンターのピアにあるレストランの玄関で、やはり中学生ぐらいの女の子が、普通の無地のサンドレスのまま、音楽もほとんどなしでゆったりと踊っていたフラ・ダンスが、一番良かった。まるで太極拳みたいな動きだけど、フラのほうがやはり優雅である。日本でも年輩の女性の間で、フラダンスが流行っているというけれど、負担にならないゆったりとした動きは、むいているかもしれない。

実はこのツアーには含まれていないが、ぜひ行きたいと思っていた観光地がある。それはジュラシック・パークのロケに使われたという、クアロア牧場だ!馬に乗って散歩して・・・と考えていたのだが、実は土日祭日は休業していて、おまけにツアーのフリーディは日曜日しかなかったのだ。泣く泣くあきらめ、どこへ行ったかというと、チャイナ・タウン。
ハワイのチャイナタウンは香港や横浜より、マレーシアのチャイナタウンに似ていた。やはり南の国のチャイナタウンと言うことで、何か共通するものがあるのかもしれない。